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第15回 耳鼻咽喉科短期滞在手術研究会

平成30年8月26日(日) 仙台国際センター展示棟 会議室 1・2
会長  湯浅  有

抄録

特別講演Ⅰ

「喉頭領域の短期滞在手術」
~局所麻酔・内視鏡下の手術~ 

東北大学耳鼻咽喉・頭頸部外科
香取幸夫

喉頭疾患、とりわけ声帯病変を扱う手術の基本は喉頭微細手術(Laryngomicrosurgery,
LMS)であるが、次のような事情があるときに日帰り・短期滞在で実施可能な局所麻酔・内視
鏡下の手術が考慮される。1)全身状態や合併症から全身麻酔手術が不適切と考えられる場
合、2)仕事や経済的理由などで入院治療を希望しない場合、3)患者自身が全身麻酔に強い
不安を持っている場合、4)切除生検など手術を早く行いたいが全身麻酔枠が調達できない場
合、である。一方、不安の強い患者や、職業歌手や音楽教師などデリケートな処置が必要な場合
には全身麻酔で手術を行うべきである。
手術適応は全身麻酔手術と同様で、音声治療(声の衛生や発声指導)や薬物療法といった保存
的治療が無効な場合に検討される。1990 年代より軟性の喉頭ファイバースコープの解像度が
向上し、経鼻的にファイバースコープを挿入して喉頭の視野を確保し経口的に喉頭鉗子(鋭
ヒ)、鉗子状メス、吸引管等を用いて声帯ならびにその周辺の手術を行うことが、京都大学の大
森らにより開発された。私たちも2005 年頃より同様の方法を導入し、声帯ポリープ切除、麻痺
声帯や萎縮に対する声帯内注入術を中心に局所麻酔・内視鏡下の手術を行っている。この方
法は従来の間接喉頭鏡を用いた手技に比べて、モニター上で大きく制限の少ない視野を得る
ことができ、録画・録音にも適している。
手術の実施にあたっては、他の局所麻酔手術と同様に患者の理解と協力が必要であり、疾病と
治療法に関する十分な説明、手術に対する不安を出来る限り除くこと、必要十分な局所麻酔(リ
ドカインのスプレー、塗布)に心がける。病変の切除は全身麻酔下の喉頭微細手術と同様に最
小限に留め、いわゆる「取り過ぎ」をしないようにする。術後は、気道狭窄や出血の症状がないこ
とを十分確認したうえで帰宅となるが、2~3日の可及的な発声制限、さらに2~3週の相対
的な発声制限(長い会話、大声や歌を控える)を行う。入院治療と異なり発声制限が充分に守ら
れない可能性があり、この点、十分な指導が必要である。

 

シンポジウム

「東北、北関東地方における日帰り、短期滞在手術の現況」

千葉敏彦(台原駅前耳鼻いんこう科、仙台市)
高橋 辰(高橋耳鼻咽喉科眼科クリニック、横手市)
花澤 秀(花澤耳鼻咽喉科、水戸市)

当院における開放型病院利用手術と日帰り手術の現況について

台原駅前耳鼻いんこう科(仙台市)
千葉 敏彦

開放型病院とは昭和53年に厚生省により医療機関の機能分担と共同利用を促進する観点か
ら制度化されたもので、開業医が病院に登録すれば、紹介した患者さんの診察・検査・治療を
病院医と共同で行うことが可能となる。退院後はまた開業医に戻って引き続き治療することが
出来るため、初診から終診まで一貫した治療が可能となる。登録医は術者として病院の医療機
器を利用して全身麻酔下手術を行うことが出来るため、自院での局所麻酔下手術が困難な重
症例や合併症をもつハイリスク症例の場合に、病院で安全に手術が出来るメリットがある。当院
では水曜日を手術日に設定し、自院での局所麻酔下手術または開放型病院(東北公済病院)で
の全身麻酔下手術を行ってきた。開院以来9年間の当院における日帰り手術と開放型病院利
用手術の現況について報告し、それぞれのメリット、デメリットについて考察したい。

 

地方農村部の有床診療所で行う短期滞在手術について

高橋耳鼻咽喉科眼科クリニック(横手市)
高橋 辰

当院は秋田県南横手盆地の地方農村部にある耳鼻科と眼科の有床診療所です。 高齢者割合
は37%で3 人に1 人が高齢者、少子化も著しく学年10 人以下という学校も多く、統廃合が続
いています。 東京都の1/3 に相当する広域に、 耳鼻科診療所4 か所と麻酔科常勤医不在の
中核病院が1 か所あります。公共交通機関が極めて不足していて90 歳近い高齢者が自家用
車で通院してくることも珍しくありません。重症難治例は80 ㎞離れた秋田大学病院まで送りま
すが、 冬期間は吹雪のために通行止めも度々発生し、 電車は1 時間に1 本のみで、転院を拒
否される例も少なくありません。このような環境で短期滞在手術を継続してきた経験を踏まえ
て、 地域医療との連携、手術症例の変遷、 手術治療に関連した工夫、有床で手術を行うことの
意義と課題などについてお話ししたいと思います。

日帰り手術の問題点と対応 ~無床診療所の立場から~

花澤耳鼻咽喉科(水戸市)
花澤 秀

始めに)無床診療所はターミナル施設ではない。日々の診療に支障をきたすようなトラブルを
極力避けるべきである。その為には手術適応を厳密にする、患者家族の同意を十分得る、診療
記録を確実にする、後方支援病院との密な連携を取ることが重要であると考える。
対象)2008 年1 月から2018 年3 月までに行われた手術の内、鼓膜切開、チュービング、扁桃
周囲膿瘍切開術などの小手術を除いた466 例である。
結果)手術は内視鏡下鼻内手術248、鼻骨骨折整復術15、口唇粘液嚢胞摘出術18、唾石摘
出術(口内法)13、口腔良性腫瘍摘出術9、舌腫瘍摘出術4、軟口蓋形成術4、舌小帯短縮症延
長術3、鼓膜形成術(接着法)77、耳瘻孔摘出術12、耳介形成術2、外耳道腫瘍摘出術2、黒子
等皮膚腫瘤切除術59 が行われた。術後他施設に依頼した事例は3 件だった。 
まとめ)手術による合併症は常に起こりえるものであり、それをトラブルにしない万全の準備が
必要と考えられた。

 

特別講演Ⅱ

「麻酔科医運営によるアネスネットの紹介と質的担保について」

北福島医療センター 麻酔科部長
佐藤 欣也

時代の変遷により、1)麻酔科医増加率は、科別で5位の23%の増加も手術件数増加は3
1%と麻酔科医不足で、2)卒後臨床研修、救急救命士の訓練等、麻酔科医への負担増、3)外
科医師単独での手術・麻酔の制限化が行われている。
 東北では、当初各県に一つの医科大学しかなく、麻酔科医の医局遍在化に伴い、県を超えて
の関係が必要になったことで各大学と連携を保ちながら、末端病院の麻酔医補充を目的として
麻酔科医による民間紹介業アネスネットが形成された。現在は、宮城県の麻酔科医NPO 団体
と協力、震災後は、東日本医療復興支援グループteam Holy とも連携しながら、運営している。
 術前に麻酔科医らが各施設からの患者情報で麻酔重症度的に問題がある場合、さらに検査
を要す場合もあるが、麻酔方法は比較的短時間作用性の薬剤が主流で、日帰りや短期間入院
の麻酔では、安定した麻酔環境を提供できるようになっており、麻酔方法につき併せて紹介さ
せて頂く予定です。

 

一般演題

1. 静脈麻酔による経外耳道的内視鏡下耳科手術(TEES) のデイサージェリー

藤岡 正人1)2) 浅間 洋二1) 小川 郁2)
1)医療法人應誠会 あさま耳鼻咽喉科医院
2)慶應義塾大学医学部 耳鼻咽喉科

光学機器の進歩と専用器具の上市を背景に、経外耳道的内視鏡下耳科手術(transcanal
endoscopic ear surgery: TEES)が国内外で急速に普及しつつある。あさま耳鼻咽喉科医院で
は2017 年2 月よりこれまでに11 例の静脈麻酔による全身麻酔下でのTEES による日帰り鼓
室形成術を行ってきた。本演題ではそのCase series review とともに、オフィスサージェリーで
TEES を立ち上げるにあたっての ①器具・器材の準備、②手術室のセッティング、③看護スタッ
フ教育について報告し、④Day surgery でTEES を行うことの有用性と限界、pitfall について述
べたい。ESS を行っている施設におけるTEES への初期投資は内視鏡と金物器具類のみで、モ
ニタやカメラは流用可能である。鼻副鼻腔手術より術後出血や疼痛も少なく、TEES はオフィス
サージェリーに適した手術と考えている。

2. 小児の鼓膜再生における皮下組織鼓室内詰込み法の有用性について

中嶋正人
埼玉医科大学病院 耳鼻咽喉科

小児の鼓膜穿孔の鼓膜再生手技については周術期、術後の観察、処置の点で成人と異なる制
約がある。①入院、外来での保護者の時間的拘束②鼻かみや鼻すすり、くしゃみが制限困難③
顕微鏡下耳内処置に身体拘束を要し、安全確実な処置が困難④ヒトパルボウイルスを確実に
は排除困難なフィブリン糊使用への保護者の心理的抵抗⑤内服や外用剤の使用を拒否される
場合がある、などである。発表者の施行する皮下組織鼓室内詰込みによる鼓膜再生法は、縁を
新鮮化した鼓膜穿孔から鼓室内に自家皮下組織を詰め込むのみで、鼓膜の再生を図る方法
で、穿孔径を問わず施行可能で、フィブリン糊も不要で、侵襲が軽微のため、日帰り両側例を含
む短期滞在手術が可能で、術後耳内操作、通院、投薬も必須ではない。また皮下組織は鼓室内
を充満するので鼻すすりなどでもずれないので制限は不要である。そのため特に本法が有用と
考える小児例を提示し、術後成績、経過を報告する。

3. 外耳道外骨腫手術における皮膚温存のための工夫

中西 悠 山本悦生 老木浩之 田邉牧人 竹田将一郎
耳鼻咽喉科サージクリニック 老木医院

【はじめに】
外耳道外骨腫の形態は多様であり、各症例に合わせた骨削除手技が求められる。今回我々が
経験した経外耳道手術25例48耳の経験をもとに、外耳道皮膚温存のために用いている手
技について報告する。
【皮膚切開】
切開の位置は骨部外耳道のなるべく外側かつ、外骨腫病変基部よりも外側になるように設定する。
【骨削除】
外耳道狭窄が高度な例では、皮膚を十分に剥離せずにノミで骨削除を行うと、跳ね上がった骨
片により、二次的に外耳道皮膚損傷を招くことがある。皮膚を軽減するには、狭窄部より外耳道
深部に落とし込んでから骨削除を行うようにするとよい。外耳道皮膚を落とし込めないほど狭
窄が高度な際には、まず最狭窄部の表層を薄く削ぐように削除する。
【パッキング】
骨病変削除の後、外耳道皮膚を骨面の露出がないように戻し、外耳道前壁皮膚と鼓膜のアング
ル部をしっかりパッキングしている。通常術後2日目には耳内ガーゼ抜去が可能になる。

4. 外耳道外骨腫に対する日帰り手術

山本英永
茅ヶ崎耳鼻咽喉科クリニック

当院は神奈川県茅ヶ崎市で中耳と副鼻腔を中心に日帰り手術を行っています。茅ヶ崎はサーフィ
ンが盛んである事から外耳道外骨腫、サーファーズイヤーの手術症例が多く受診されます。2015
年の開院からの受診者数は64 名、平均年齢は40.8 歳。平均サーフィン歴は27.2 年でした。
手術症例数は 28 例の48 耳、ほぼ男性です。
手術は全例局所麻酔・耳内切開で行います。耳内切開のメリットは前壁の骨腫に有効な事、皮
膚切開範囲が狭い事、デメリットは手術野が狭い事になります。
特殊な器具としては骨片の除去に有効な大き目の麦粒鉗子を使用しています。
摘出後の外耳道は軟膏とジェルフォームで皮膚の固定を行い綿球を留置します。パッキングは
行っていませんが術後出血や外耳道皮膚の肥厚などの合併症は起こっておりませんが術後眩
暈の出現率が21.4% とやや高いように思われます。鼓室内操作は行なっていない事から、ノミ
の振動による耳石の離脱や浮遊などが予想されます。

5. 鼻手術周術期における嗅覚評価の試み

浅間洋二
あさま耳鼻咽喉科医院

内視鏡下鼻内副鼻腔手術が末梢性嗅覚障害に有効なことは国内外で広く報告されているが、
嗅覚改善に対する効果の定量定性評価に基づいたエビデンスが十分に蓄積されているとは必
ずしも言えない。そこで我々の施設では、嗅覚検査室の最適化と副鼻腔手術前後における嗅裂
周囲の気流変化について流量とルートの検討を重ねてきている。術前後の鼻内気流について
は、非圧縮ニュートン流体非定常ナビエストークス方程式を元にその変化を直接計算するDNS
法を採用している。特にDNS 法による流体解析結果は市販商用ソフトによくあるような乱流モ
デルや定常モデル用いておらず、実際の気流の動向をより詳細に精確に再現できる利点があ
る。以上の方法により、術前術後に評価した4症例について報告したい。

6. イリゲーション付き手術支援機器を使用した
 水供給下の内視鏡下鼻副鼻腔手術について

達富真司 細田泰男 藤田京子 梅田裕生
細田耳鼻科 EAR CLINIC

当院では、吸引・切除・凝固などの機器に水供給機能を付加したイリゲーション付き手術支
援機器を開発し、内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)に使用している。ESS において水を供給する利
点は洗浄と潤滑にあると考えられる。洗浄することで明瞭な内視鏡視野と術野が維持され、病
変・出血点・危険部位を確認することができる。また術野を清潔な環境に保つことで、感染予
防につながる。水供給による潤滑性の向上は、水流が発生することで吸引力が上昇し、切除能
力の向上につながる。また吸引のつまり防止、摩擦・乾燥・熱による組織損傷の予防につなが
る。イリゲーション付き機器を使用したESS は、水供給の利点を生かした、安全、正確、スピー
ディーな手術である。本発表では、当院で開発したイリゲーション付き機器と、それらを使用し
た水供給下ESS について報告する。

7. 当院における好酸球性副鼻腔炎に対する治療の現況

増田信弘
西大津耳鼻咽喉科

平成27 年に好酸球性副鼻腔炎の診断基準であるJESREC スコアが策定され、難病法により指
定難病に指定されたのを機に、当院では好酸球性副鼻腔炎を最重点疾患として取り扱ってき
た。平成30 年5 月末現在で、84 名が通院中である。年齢分布や主訴、合併症など当院通院患
者の概要について検討し、当院、で、行っている、問診内容、検査項目、手術、術後管理、投薬治
療等を紹介し、無床耳鼻咽喉科診療所における好酸球性副鼻腔炎の取り扱いにつき検討す
る。

8. AC 電源不安定地域における汎用品使用モバイル内視鏡システムでの
 鼓膜形成術

馬場奨1) 川村繁樹1) 細田泰男2)
1)川村耳鼻咽喉科クリニック
2)細田耳鼻科ear clinic

私はネパールで定期的に短期医療支援しており、昨年の演題をヒントにAC 電源非供給下での長
時間駆動を目的として構成した内視鏡システムを使用し、現地で鼓膜形成術を行った。
 機器構成は、汎用品は、光源:乾電池式懐中電灯、web カメラ:C マウント改造、モニター:タ
ブレットPCとUSB バッテリーで、医療機器は、耳硬性鏡・C マウントアダプター・ライトケーブル
である。
 WHO によると世界の難聴者3.6 億人の大半は途上国におり、小児難聴の主原因は慢性中耳
炎、難聴者は低雇用と報告されている。
 眼科領域では多くの団体が活動し、ヒマラヤ眼科耳鼻科医療を支援する会(EArTH) という
NGO で耳鼻科診療している。医療キャンプをこれまで計5 回、電源供給の乏しい僻地に出向いて
行い、外来は耳疾患が最多(6割以上)で、慢性中耳炎、耳垢の順に多く、手術は鼓膜形成術(16
例)が主であった。
今回、自家発電機稼動の眼科顕微鏡(白内障手術)を使用せず、単独で鼓膜形成術が可能となり、
限られた時間・資源を有効活用し社会貢献できると考えた。

9. 海外患者に対する短期滞在手術

廣芝新也 東家完 田邉正博 一色信彦 荻野枝里子 岩永迪孝

近年、日本を訪問する外国人は毎年増加の一途をたどっている。当院では2014 年より、主に
海外から手術を希望する海外の痙攣性発声障害患者を受け入れている。直接診察することが
難しいため、現地で診察を受けた際の喉頭ファイバー所見とスカイプによる直接の会話の中で
手術を決定している。国別にみると、イギリス3 名、アメリカ3 名、インド2 名、スイス、マレーシ
ア、デンマーク、ニュージーランド、フィリピン、ザンビア各1名、合計14 名の方々に対し、当院で
手術を行い、特に合併症などのトラブルも認めなかった。来院するきっかけとしては、フェイス
ブックのグループ経由の方々がほとんどで、イギリスからの3 名は現地の耳鼻咽喉科医の紹介
によるものである。実際の発表では、文化の違いによる様々なエピソードについて発表する予
定である。

10. バセドウ甲状腺超亜全摘術の術後成績 -2 泊3 日の短期滞在手術例を含む-

大村正樹1) 牧本一男1) 山本悦生1) 宗田由紀1)
大村学1) 須川秀夫2) 森徹2)
1)大村耳鼻咽喉科日帰り手術センター
2)森甲状腺会須川クリニック

バセドウ病の治療は旧来①薬物療法、②放射性ヨードによるRI 治療、そして③手術療法がおこ
なわれてきた。①の問題点は無顆粒球症などの副作用で治療が続けられない症例があること
などである。②の問題点は甲状腺機の低下にかなりの時間を要すること、逆に長期間過すると
必ず甲状腺機能の廃絶に至り、甲状腺剤(チラージンなど)の服用が必須となることなどであ
る。これに比し、③では甲状腺機能の低下は極めて速やかで、術後数日で低下し、術後正常甲状
腺機能に達して、薬剤の服用を全く必要としない症例がある。問題はどうしてもこれまで再燃例
があり、再度抗甲状腺剤(メルカゾールなど)を服用しなければならない症例があることである。
私は京大時代からバセドウ病に対する甲状腺亜全摘術を施行し、残置量を5-6g に設定して
いた。しかし再燃例があるため、内分泌内科医とも相談、2010 年9 月からは残置量を3.5g 以
下と設定し、所謂超亜全摘術を施行している。当初は両葉亜全摘としていたが、最近では一葉
は全摘し、反対葉のみ亜全摘とするDunhill 法を採用している。2015 年11 月からは2 泊3
日での短期滞在での手術を行っている。これら27 例の手術症例の術後成績を報告する。

11. 昨年1 年間の1 泊入院での問題点

蔦佳明 岩永迪孝 老木基子 唐澤千明 八幡隆史
南大阪蔦耳鼻咽喉科

昨年度の当院での一泊入院手術症例は、318 例であった。内訳はスウィング法変法が201 例、
後鼻神経切断術(鼻中隔矯正術を含む)87 例、鼓室形成術が19 例、ラリンゴマイクロ9 例そ
の他2 例。全例を手術当日入院、翌日退院の一泊とした。数人の希望での二泊入院もあった。
一~二泊入院での問題点に付き検討した。術者は鼓室形成術が岩永迪孝先生、あとはすべて
私一人での手術症例であった。麻酔は全身麻酔年、ラリンゲルマスク(OS+フェンタニル)又は
気管内挿(OS+レミフェンタニル)で管理した。又鼻の手術の場合は上顎神経ブロックも併用し
た。術後出血、痛みのコントロール、全身麻酔からの覚醒時間、睡眠状態、適正な入院期間で
あったか。などを振り返ってカルテ上の問題点を引き出して、検討したので報告する。

12. 短期滞在手術における術前チェック -当院の現状について-

岩野正 清水順一 岸本麻子 永井香織
岩野耳鼻咽喉科サージセンター
ながい耳鼻咽喉科クリニック

短期滞在手術の成功のポイントは、患者の選択であり、患者の病態、年齢、理解度、基礎疾患など
を考慮し、短期滞在手術の適応を決定する。さらに問診よる既往歴、現病歴のチェック、心電図、胸
部X線、採血、尿検査などの術前検査により、問題点を明らかにし、対処することが重要となる。こ
れらのステップを経て、入院前に治療計画を完成、入院後その計画に沿って、合併症なく退院を迎
えることに集中する。
今回、2017 年1 年間に当院において手術治療を受けた患者を対象に、問診および術前検査によ
り明らかとなった問題点とその頻度、さらにその対応につき検討したので報告する。